優/seileitohさんが作成された人狼17のお題に基いて
イラストと物語を作ってみました。
小作品ですが、お楽しみ頂ければ幸いです。

lux luceat eis


1.月夜

こんばんは、旅の方。
教会に何をお求めですか?

…おや失敬。
教会はとうの昔に朽ちたというのに、私ときたら
生きていた頃の癖がまだ抜けない。

残念ながら宿はもうありませんが、ここには夜盗も獣もいません。
勿論私もとりついたりはしませんから、安心してお休みください。

もし眠られないと仰るのなら…
この亡霊めの昔話を、ひとつお聞かせ致しましょう。

ここにまだ村があった頃の。
そしてその村が滅びてしまうまでのお話…。





2.村の片隅

ある晴れた日に、村一番の楽天家が死にました。
彼はその頃村に蔓延していた
人狼の噂を笑い飛ばしていました。

無惨な姿で見つかったのがその翌日だったので
それがあまりにも惨い死に様だったので
誰ともなくこういいました。

「人狼がこの中に居る」

村人は全員村はずれの宿屋に集められて
大きな会議が開かれました。
誰が人狼なのかを話し合い
毎晩一人を吊る為に。
3.愛してる

私は知っていました。
誰が人狼であるのか、少なくとも一人を。
何故ならば晩にその人が告解に来たから。
その人は言いました。

「愛してるよ。自分自身を」
「だから誰が死んでも構わない」
「自分が生き延びられるなら」

私はきっと冗談だろうと思って
無感動な表情でその人の話を聞いていました。
本当だと認めてしまったなら
恐ろしさに口を開くことも出来なかったでしょう。

「悲しい事です」

私がそう言うと
その人はただ笑って、去っていきました
4.血

「私の一票が誰かを殺す」
「直接手を下すか、下さないかの差だけで」
「人狼と何も変わらない」
「この手は最早血に染まっているのだよ」

そう呟いた村長さんは
その夜喰われてしまいました。
5.団欒

その次の日は誰も襲撃されませんでした。
きっと狩人が誰かを守ってくれたのだ
という話で持ちきりになり
束の間の団欒となりました。


next→